信頼できるM&A仲介会社の探し方は?タイプ別M&A仲介会社10選

M&Aを検討しているものの、どこに依頼したらいいのかと分からない方も多いのではないでしょうか。
近年M&Aの取引が盛んになり、M&A業界に参入した仲介会社もかなり増えたと言えます。
その中から、信頼できる、ノウハウが豊富な仲介会社をどのように探したらいいのかと悩まれている方は少なくないでしょう。
そこで今回は、そもそもの仲介会社の役割、信頼できる仲介会社の探し方などについて書いていきます。参考にして頂けますと幸いです。
目次
1、そもそもM&A仲介会社の役割は?
そもそもM&A仲介会社の役割はなんでしょう。
一言で言うと、M&Aを成約させるためのフォローを行う役割を担ってくれます。
(1)銀行、証券会社は報酬1億円以上の案件しか対応しない?
銀行、会計事務所、証券会社、商工会議所など相談する窓口は多くありますが、実際に実務を行うのは、案件の規模によって取扱いが異なります。
一般的には、ファイナンスの関係で、銀行、証券会社が取扱う案件の規模は、大体報酬は1億円以上が一つの目安になっています。
(2)仲介会社は中小企業案件がメイン
一般的にはM&A仲介会社は銀行、会計事務所、証券会社などと業務提携しているので、上記で書いたような大規模な案件じゃない場合、M&A仲介会社に紹介されるケースが多いです。
仲介会社を利用した場合の流れについて、買手会社は「会社、企業を買いたいあなたへ!会社買収で成功するために知っておくべき全知識」を参照にしてみてください。
一方、売手会社は「会社、企業を売りたい方必見!損しないために知っておくべき知識まとめ」を参照にしてみてください。
2、M&A仲介会社に依頼する4つのメリット
M&Aに対する認知が広がった今、M&Aのマッチングサイトも増えてきました。その中で、仲介会社に依頼するメリットとはなんでしょう。
(1)いい情報をもらえる
マッチングサイトなど、今まで情報が閉鎖的だったM&A業界は、少しずつ情報を公開してきたとは言え、実は本当にいい案件は、なかなかネット上に出回っていないのが実情です。
その点、上記にも書きましたが、M&A仲介会社は銀行、証券会社、会計事務所と幅広く業務提携されていて、ネット上には公開されていない、いい買手会社、いい売手会社の情報をもらっています。
従って、仲介会社を利用することによって、より良い提案をしてもらえるのです。
(2)プロによるサポートをしてもらえる
会社を買う、売るとなると、会社の会計情報の整理、細かい売買条件の調整などいい条件で売る、いい条件で買うとなると、やはりMAの知識を持ったプロによる調整が必要になります。
会社を売ったのはいいものの、自分でも把握していなかった簿外債務が売却後に発覚して、追加で支払うことになったり、会社を買ったあとに引き継ぎの手続きがうまくいかず、優秀な人材が退職して売上が落ちたなど、経験がないからこそ把握しきれない重要なポイントをプロから助言してもらうことも、M&Aで成功する大切なポイントと言えます。
(3)自分の会社にとってよりいい条件での売買ができる
M&Aも不動産と同じで、売買価格を評価する基準があります。しかし、その評価価格はあくまでも一つの基準で、買手と売手の交渉により、最終的に売買価格が確定となります。
従って、相手の会社のことを詳しく知ることによって、より良い条件での売買をすることができます。その場合、取引実績が豊富で、プロがいる仲介会社に依頼した方がいいアドバイスをもらうことができますので、ご満足のできる売買になると言えるでしょう。
評価価格の評価基準について詳しくは「会社、企業を売りたい方必見!損しないために知っておくべき知識まとめ」を参照にしてみてください。
(4)税金のアドバイスがもらえる
売手会社は、M&Aにより会社を売却した場合、所得税、法人税などの税金が課せられます。
せっかく会社を売却して大金を手にしたのに、税金で消えるのは非常に勿体無いです。一般的には仲介会社には公認会計士、税理士などお金のプロも在籍していますので、税金を安くする方法のアドバイスもしてもらえます。
3、M&A仲介会社に依頼する2つのデメリット
一方、M&A仲介会社に依頼するにはデメリットもあります。
(1)仲介手数料がかかる
M&A仲介会社に依頼するには最も大きなデメリットは手数料がかかることです。
仲介会社によって料金体系が異なりますが、一般的には着手金、成功報酬などがかかります。
成功報酬は売買価格の○%で設定されていることが多く、売買価格が高ければ高いほど仲介会社に支払う報酬も高くなります。
従って、会社の買収価格の他に、報酬も用意する必要があります。
なお、最近では売手会社だけ成約時に手数料のみ発生するという仲介会社も増えてきましたが、M&Aで必要となる専門知識のレベルは非常に高いので、報酬が安いから選ぶのではなく、どのようなサービスを提供してもらえるかもきちんと見極める必要があるでしょう。
仲介手数料の料金体系は「5、M&A仲介会社に依頼する時の仲介手数料」を参考にしてみてください。
(2)仲介会社選びで失敗する場合がある
2つ目のデメリットは、仲介会社選びで失敗する場合もあります。
近年M&Aの認知が広がり、一気に仲介会社の参入が増えました。その中で、M&Aの実績が少なく、あまりノウハウがない会社も存在していること否定できません。
仲介会社に依頼したものの、なかなか良い提案をもらえなかったり、売買するいいタイミングを逃してしまう可能性も考えられます。
従って、仲介会社を選ぶポイントもおさえておくことが必要です。信頼できるM&A仲介会社の選び方は下記「4、信頼できるM&A仲介会社を選ぶ時の5つポイント」を参考にしてみてください。
4、信頼できるM&A仲介会社を選ぶ時の5つのポイント
上記にも書きましたが、M&Aの認知が広がったことにより、仲介会社が一気に増えました。
その中から信頼できるM&A仲介会社の選び方について書いていきますので、参考にしてみてください。
(1)取引実績数
まず最初に挙げられるのは取引実績数です。
取引実績数が多い会社はやはりノウハウも豊富で、より良いアドバイスがもらえると言えます。
取引実績数が多い仲介会社は、銀行、証券会社などとのパイプも太く、より良い買手会社、売手会社の情報を提供してもらえます。
取引実績数などについては、会社ホームページなど一般的に公開されている情報では確認できない場合が多いので、必ず担当者に確認するようにしましょう。
(2)業界特化型
業界関係なく、幅広くM&Aを行っている仲介会社もいれば、業界特化型で行う仲介会社もあります。
業界特化型の仲介会社の場合、その業界に精通していますので、自分の会社にとって有利な条件で売買する見込みが高いと言えるでしょう。
(3)買収後の総合プロセス(PMI)のアドバイス
M&Aでは、会社を買ったら終わりではなく、買ってからがスタートです。
一般的には、売手会社の社員や取引先、銀行への開示は成約してから行います。つまり、それまでには基本的にはM&Aの手続きについてごく一部の関係者しか分からないのです。会社の売却に対して、不満になる優秀な人材が流出したり、クライアントから取引を取りやめなどにより、会社を買ったのはいいものの、売上が一気に落ちるというリスクも考えられます。
従って、そうならないようにするには、買取監査(デューデリジェンス)のタイミングで、PMIの調整を始める必要があります。きちんとPMIのアドバイスができるM&A仲介会社を選ぶことが重要です。
(4)税金のプロがいる
M&Aでは売買の手法や状況によって、様々な税金が絡んできます。
実際に成約したあとに、多額な税金を請求され運営資金難になったり、予定していた売却益が出なかったなどの事態にならないよう、事前に税金対策を立てることが必要です。
M&Aでの税金は多岐に渡るため、税理士、公認会計士などM&Aに特化したお金のプロがいる仲介会社に依頼することが大切です。
税理士などの在籍数、提携先などについては確認するようにしましょう。
(5)悪徳業者に注意
M&A仲介会社は資格が必要ないため、やろうと思えば、どんな会社でもできます。
中には、守秘義務を守らなかったり、相手会社のマイナスになる情報を隠したままで交渉を進める悪徳業者も存在していること否定できません。
そういう被害に合わないため、
- 取引実績数
- 提携先
- 会社規模
などHPで確認できる情報の他に、実際に担当者と面談してみて、本当に
- 専門知識があるのか
- 信頼できるのか
などで判断するようにしましょう。
5、M&A仲介会社に依頼する時の仲介手数料
続いて、実際にM&A仲介会社に依頼する時の手数料を紹介します。
売手会社と買手会社を別々に書いていきます。
(1)売手会社がかかる手数料
先に売手会社の手数料を紹介します。
①企業評価料・案件化料
仲介会社と提携仲介契約を締結後、会社の財務状況、会社の紹介資料などを作成しますので、その時に企業評価料・案件化料として費用をもらう会社がいます。着手金とも言えます。
その基準は、会社の簿価資産額で異なり、100〜500万円が相場になっています。なお、海外に関連会社、工場などがある場合、上記企業評価料と案件化料の他に、更に300〜500万円を別途請求されます。
たとえ成約しなくても着手金は返してもらないこと、事前に認識しておきましょう。
②成功報酬
実際に、M&Aが成約した時に請求される報酬です。
下記は一つの目安金額として参考にしてみてください。
- 5億円以下の部分:5%
- 5億円〜10億円以下の部分:4%
- 10億円〜50億円以下の部分:3%
- 50億円〜100億円以下の部分:2%
- 100億円超の部分:1%
③最低手数料
合併、会社分割など業務提携の場合、最低手数料を設けています。
形態・規模によって異なり、1,000万円が一つの目安になります。
④その他の実費
仲介会社に支払う上記費用の他に、下記実費も負担することも認識しておきましょう。
- 不動産登記、株券印刷などの実費
- 弁護士、公認会計士などの実費
(2)買手会社がかかる手数料
続きまして、買手会社がかかる手数料を見てみましょう。
①着手金
買手会社も同様、仲介会社と提携仲介契約を締結後、着手金を請求されるケースが多いです。
その基準は、売手会社の簿価資産額で異なり、100〜500万円が相場になっています。
なお、たとえ成約しなくても着手金は返してもらないこと、事前に認識しておきましょう。
②業務中間金
買手会社の場合、業務中間金を請求される仲介会社があります。
その基準は成功報酬の20%を目安になっており、あまり金額が低くならないため、最低額を決めている場合もあります。
基本、業務中間金は成功報酬に充当します。
③成功報酬
成功報酬は、売手会社同様M&Aが成約した時に請求される報酬です。
下記は一つの目安金額として参考にしてみてください。
- 2億円以下の部分:2,000万円
- 2億円〜5億円以下の部分:5%
- 5億円〜10億円以下の部分:4%
- 10億円〜50億円以下の部分:3%
- 50億円〜100億円以下の部分:2%
- 100億円超の部分:1%
④その他の実費
買手会社も同様、仲介会社に支払う上記費用の他に、下記実費も負担することも認識しておきましょう。
- 不動産登記、株券印刷などの実費
- 弁護士、公認会計士などの実費
(3)完全成功報酬の仲介会社が増えた
最近、完全成功報酬の仲介会社が増えました。報酬が安いのは大変嬉しい話ですが、しかし、M&Aは非常に高い専門知識を求む仕事なので、費用だけではなく、きちんとその会社のスキルも評価するようにしましょう。
6、M&A仲介会社10選
最後に、M&A仲介会社を10社ご紹介します。
(1)上場会社3社
まずは、上場会社3社をご紹介します。
①(株)日本M&Aセンター
URL:https://www.nihon-ma.co.jp/
②(株)ストライク
③M&Aキャピタルパートナーズ(株)
(2)仲介手数料が安い3社
続いて、仲介手数料が安い3社をご紹介します。
①M&A総合研究所株式会社
②株式会社クラリスキャピタル
③株式会社中小企業M&Aサポート
URL:https://www.chusho-ma-support.com/
(3)業界特化4社
最後に、業界特化4社をご紹介します。
①株式会社フォーバル
特徴:事業承継に特化
②株式会社レコフ
特徴:海外案件の実績豊富
③株式会社東京MAパートナーズ
特徴:調剤薬局に特化
URL:https://www.tma-partners.co.jp/
④ブティックス株式会社
特徴:介護・医療業界に特化
URL:http://btix.jp/
まとめ
今回はM&A仲介会社について書きましたが、参考になりましたでしょうか。
自分の会社にとっていいM&Aをするためには、信頼のできる、ノウハウが豊富な仲介会社を仲間にすることが非常に重要です。
ぜひ、こちらの記事を参考に、いいパートナー見つけられたら幸いです。